黒パグのパコちゃん、14歳の女の子が旅立ちました。
寄る年波に衰えていたパコちゃんでしたが、夏が終わろうかという日の夜中、ご家族に見守られるままに天国へと召されていきました。
息を引き取られた後、ママ様はパコちゃんを丹念に拭き清められていて私どもが伺った時には既にパコちゃんはお空へと昇るその時を待つばかりとなっていました。ご家族様の自らの手により充分に清められたパコちゃんですからあらためて私どもが清めさせていただくには至りませんでした。パコちゃんにとってもそのほうが良いのだろうと思います。なぜならご家族様の優しい手の温もりを自らの肌に残したままに旅立てるのですから。
飼い主様ご夫妻には可愛いお嬢様とご子息がおられます。パコちゃんは、お嬢様がお生まれになられる前にご夫妻の元に迎えられましたので、ご姉弟にとってパコちゃんはまさに一番上のお姉さんでした。その後、弟君が誕生されるとそれからの幾年月、パコちゃんは可愛い妹弟がスクスク大きくなられていく姿をずっと見守り続けていたのです。そして今、お嬢様は中学生、下の僕ちゃんは小学生です。パコちゃん。時の過ぎ行くのはほんとうに早いものですね。
お火葬はご自宅でさせていただくこととなりました。お子様方もご両親とご一緒され炉前での最後のお別れに臨まれました。炉に火が入ると程なく海風がパコちゃんを上空へと運んでいきます。遠い目をしてその行方を追うご家族様 ― 幸せでしたね、パコちゃん。これからもご家族の皆をどうかどうか見守っていてください。
ご焼骨後、パコちゃんのお骨は私どもで一旦、トレーに集めさせていただき、その後、ご自宅の中でご家族様自らお骨壺に収めていただきました。拙いながらも一生懸命に小さな可愛い手でお骨を拾われるお子様方のお姿に胸が熱くなりました。こんなに嬉しいことはないね、パコちゃん。そして、なによりお二人のこれからのご成長、とっても楽しみですね。
パコちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。