はりねずみのとらまる君が天国に旅立ちました。飼い主様は20前後の女の子。訪ねたアパートではお母様もお待ちでした。ひとり暮らしているお嬢様を心配してご実家から来ておられたのだと思います。
とらまる君の拭き清めに玄関先をお借することになりました。はりねずみちゃんの身体はとげとげの針で覆われています。私どもが手間どっているとお嬢様は革の手袋を持ってきてくれました。革手袋ははりねずみを飼育するには欠かせないもののようです。お嬢様には針で指を刺してしまったことがあったとのこと。それにしてもとらまる君のの可愛いこと可愛いこと。お腹を清めさせていただく時に仰向けになってもらったのですが、まんまるの身体に小さなお顔とさらに小さな前足と後ろ足がちょこっと生えてる。ほんと、チャーミング!!この小さな足をちょこまか動かし歩いていたならさぞかし可愛いことでしょう。
お二人にはお火葬もお立合いいただきました。この日の日差しはとても強く、ご焼骨の間中、炎天下のなかずっとお待ちいただいては熱中症の危険も無きにしもあらず。終了するお時間の目安をお伝えし別の場所に避難されるようお勧めいたしました。
ご焼骨を終えた頃、お二人は戻ってこられました。その後、炉の中のご遺体を確認いただきました。お骨だけになってしまうととても小さく感じます。身体の針は皮膚の一部なのでしょうか、形として残ることはありませんでした。その後、お骨をパウダー加工し小さな骨壺に収めてお嬢様にお返しいたしました。パウダー加工は体積を小さくし納める骨壺はその分小さくなります。このサイズであれば一人暮らしのアパートでも場所を選びません。姿、形は変わってもとらまる君の居場所は変わりません。また、同様に、お仕事から帰ってくるお嬢様を心待ちにする毎日も変わることはありません。