ちまんちゃんが天国へと旅立ちました。御歳21才。猫年齢の21才は人で言うところの100才に当たります。ご葬送にご家族の元にお伺いし初めて目にしたちまんちゃんは眠る姿と言いその毛並みと言いとてもそんなお歳の猫ちゃんには見えませんでした。
ちまんちゃんは、20年もの間、看護師であるお母様が転勤される度 一緒について全国を回っていましたが、ここ金沢が最後の街、このご自宅が終の棲家となりました。実家のご両親を亡くされているお母様にとってちまんちゃんは親であり姉妹であり子供であったそうです。ひと口に20年と言っても色々なことがありました。楽しいことも。苦しいことも。それはちまんちゃん、お母様、双方に同じことが言えます。だからこそ、お母様にとってちまんちゃんの役割がその時々において違っていたのかもしれません。20年以上共に過ごしたからこそ言える言葉なんだろうと思います。ちまんちゃんは骨盤を骨折してしまったこともあったようです。それでも奇跡の復活を遂げ、今日までお母様と常に寄り添い生きてきました。
ご葬送を通してお母様の涙を拭う姿に目頭が熱くなりました。生きとし生けるもの全てに必ず訪れる死。分かってはいるのですが、いざ、その時がやってきたらば、当たり前のように受け入れることができない、それもまた道理であり、肉親の死であれば尚更のこと。だから、受け入れる事の出来ないことを受け入れるしかないのです。
ちまんちゃんはお母様にかけがえのないものを残して旅立ちました。ちまんちゃんは感謝していますよ。そして必ずや天国からお母様を見守ってくれるはず。お母様がちまんちゃんの死を穏やかな気持ちのなかで受け入れ 遠からず笑顔のなかにかけがえのない思い出として再び生き返りますように – 祈るばかりです。