お仕事日録

フレンチブルドッグ小枝ちゃん 小麦ちゃんを残してママの元に

フレンチブルドッグの小枝ちゃんがママの元に旅立ちました。小枝ちゃんは昨年のクリスマスイブにご葬送させていただいた小雪ママの息子犬です。

 

 

ご自宅を訪ねると小枝ちゃんが伏せの姿勢のまま可愛いお顔をこちらに向けていました。お顔だけをみていると眠っているようにしか思えませんが、細った背中にフレンチブル特有の鼻を鳴らすような呼気の音も聞こえては来ず、悲しいけれども命が途絶えていることは明らかでした。小枝ちゃんは以前、肥満細胞腫になり手術で腫瘍を取り除きました。その後、その病自体は完治されたのですが、抗がん剤を常用していたので肝臓はかなり弱っていました。小雪ちゃんが亡くなった頃からでしょうか、徐々に具合が悪くなってきておりました。そのうち肺水腫も見つかり、とうとう 一昨日、天へと召されていったのでした。

 

傍らでは兄弟犬の小麦ちゃんがソワソワ心配そうに小枝ちゃんに近づいたり離れたりしています。小麦ちゃんはとても活発で、見知らぬ人がお家に来れば気持ちが高揚し激しく動き回ったり吠えたりするのだそうですが、この時は唯々、ぼんやりとした様子で小枝ちゃんの側をうろうろしたり時折、お顔を覗きこんだりもしていました。小麦ちゃんは小枝ちゃんの死を小雪ちゃんの時よりも深く心に受け止めているようで、亡くなった直後は小枝ちゃんに寄り添いずっとお顔を舐めていたといいます。

 

お火葬は小雪ちゃんの時と同様、ご自宅前の駐車スペースでとり行うことになりました。小枝ちゃんはこれより空へと昇ってゆきます。火葬炉の蓋が閉じられお父様が小麦君をお家の中に連れて行こうとすると、な、なんと小麦ちゃんは地を強く掴むように踏ん張りその場を動こうとしませんでした。仕方なくお父様はリールで引っ張るのを諦め、小麦ちゃんを抱きかかえてお家に入って行かれました。

 

小枝ちゃんも小雪ちゃんも あの美しい床のテラコッタが、暖かいサンルームが、汐の香るお庭も大好きでした。そして何よりましてご夫妻の優しい笑顔が大好きでした。私は、今も2匹は慣れ親しんだお家の中で残してきた小麦ちゃんと共にご夫妻の傍らにいるような気がしてなりません。小麦ちゃん!ご夫妻のためにも小枝ちゃんとママの分まで長生きしてください。