お仕事日録

眠っているかのようなうさぎのちょこちゃん 

うさぎのちょこちゃんが亡くなりました。

 

 

飼い主様のご要望でご自宅ではなくご自宅近くのご指定場所で待ち合わせることになりました。待ち合わせの場所に到着すると 飼い主様らしきお母様が私どもを認められお声を掛けてくださいました。お母様にお火葬車の横にお車を移動していただき、その後、お申込書にご記入をいただくようお願いいたしました。次にちょこちゃんの体重をお量りしてその後にお引き渡しとなります。

 

お車にはお母様の他、お嬢様もご同乗でした。お嬢様の腕の中、棺箱のちょこちゃんは本当に眠っているかのようでした。ちょこちゃんはホーランドロップという種で真っ白い被毛に黒と茶の大きな斑点が個性的で 10歳とは思えないような艶のある被毛を蓄えています。なんと可愛いうさぎちゃんでしょう。小さくではありますが、思わず声を上げてしまった次第です。その後はお母様とお嬢様にお手伝いいただき、炉にちょこちゃんを収めさせていただきました。そして最後のお別れのひととき、厳かな時が流れます。

 

その後、お二人には私どもが責任もってちょこちゃんをお預かりする旨お約束させていただきました。ご焼骨後のご返骨は今ほどの待ち合わせ場所ではなくご自宅の方に直接お伺いさせていただくことになっています。お火葬車がその場を離れた後も傘をさして見送られていたお二人の寂しそうなお姿が目に焼き付き その切り取られた残像が心を揺さぶり続けます。

 

ご家族様とお会いしたのはこの間のほんの僅かではありましたが、ちょこちゃんがご家族様にとっても愛されていたこと、子供のように可愛がってもらえていたこと、ちょこちゃんがかけがえのない家族の一員だったことなど、ご家族様のちょこちゃんに対する思いの全てがひしと伝わってくるのでした。ご家族様と交わさせていただいた言葉は少なくともどういうわけか不思議なまでに伝わってくるのです。ご家族様のありのままで自らのお気持ちに忠実なお姿に 私にそう思わせる何かがあるのだろうという気がしています。

 

ちょこちゃんのご冥福をお祈りいたします。