お仕事日録

茶虎の猫 メメちゃんのお別れ

茶虎の猫、メメちゃんが亡くなりました。享年14歳でありました。

 

ある日、お母様はメメちゃんの口元にしこりのようなものを見つけます。心配されたお母様はすぐに近所の動物病院に連れて行きました。「うちでは手に負えない」 動物病院の先生にはそう告げられました。メメちゃんの病名は悪性腫瘍。藁にも縋る思いのお母様は石川でも定評のある大きな動物病院にメメちゃんを連れて行きます。あらためて癌と知らされたお母様はショックでショックで何事にも全く手が付かないほどに憔悴してしまうのでした。こちらの先生には手を尽くしていただきましたが、やはり老齢のメメちゃん、ましてや2キロ足らずの小さな体、強敵と戦うにはやはり限界があったものと思われます。体を細らし、最後は静かに息を引き取るのでした。

 

人の世界においては今や癌は不治の病ではありません。しかし言葉を発することをしない動物の世界では、痛いと言えない故に病巣を見つけることが遅れるからか、人より小さな体には治療に耐えうる体力がそもそもないのかは分かりませんが、いずれにしろまだまだ相当に厳しい病気と云わざるを得ません。

 

玄関にメメちゃんがお運びされてきました。小箱の中のメメちゃんはすっかり痩せ細っています。あ、あ。どんなに辛かったことか。本当に耐えて耐えて頑張ったね。痛みから解放された今、どうかどうか天国でゆっくりお休みください。メメちゃんに合掌。

 

ご出棺には、お父様、お母様、そしてお兄様と奥様、それに園児くらいのお嬢様が立合われました。お嬢様は愛する者の死を初めて経験されたのでしょう、お母様に寄り添うようにし 辛そうなお顔をこちらに向けていました。

 

ご家族様には、玄関前での最後のお別れの後、メメちゃんを載せたお火葬車をお見送りいただきました。お火葬にあたって 最近 インスタで知り合った黒猫のメイちゃんとミアちゃんのお母様 Chakoさんから折り方の教えを乞うた紙製の蓮の花をメメちゃんの枕元に添えさせていただきました。メメちゃんのお母様には勝手なことをして申し訳ありません。でも、Chakoさんもまた猫が大好きで ペットロスに苦しむ方々に何かできないかと真剣に考えておられる女性です。蓮の花の折り紙を介してメメちゃんにもメメちゃんのお母様にもChakoさんから頂いた癒しの力が届けば嬉しい ー そんな私どもなりの思いを込めて蓮の花を供えさせていただいたのです。きっとメメちゃんも喜んでくれたことと思います。

 

 

ご焼骨を終えてご返骨にご自宅に再度伺い、お母様にメメちゃんをお返しいたしました。お母様もメメちゃんのお骨壺を手にしてほっとされたのか、ご挨拶をさせていただいた帰り際、お呼び止めくださり弊社のパンフレットをご所望されました。

 

ご家族様にはこの度、ご用命いただき有難うございました。お寂しい日々が続くかと思いますが、お母様はじめご家族様にはお心大切にお過ごしくださいますようにお祈りしております。

 

最後に、メメちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。