お仕事日録

黒猫の美翔くん。星になった君へ

美しく翔けると書いて「みと」。黒艶のハンサム猫、美翔くんが旅立ちました。享年18歳でした。

 

晩年の美翔くんは腸管癌を患っていました。癌になって食欲もなくなり体も辛いはずなのにお母さんのお手伝いだけは欠かすことはなかったそうです。と申しますのは、美翔くんは生前、お母さんが洗濯物を畳んでいるお母さんの膝の上に乗っかってきては「僕の体を台にして畳んでくれていいよ」と言わんばかりに背中を差し出していました。また、若い頃からとってもお利口さんでご家族さまの手を煩わすことはありませんでした。腸管癌は下痢や嘔吐を招きますが、美翔くんも違わずして激しい嘔吐に苦しめられていました。それでもさすが美翔くん、嘔吐を催すときは家族に迷惑をかけないように隅っこの定位置に行って吐いていましたし、体が痛くて動けないときにはいつもの場所でひとりじっと耐えていました。我慢強くて最後までお利口さんだった美翔くんはご家族さまの自慢の猫ちゃんでした。

 

 

 

ご葬送はご家族さまが選ばれた見晴らしの良い公園でとり行いました。飼い主さまご夫妻とお嬢さま、可愛い僕ちゃんも公園に足をお運びくださいました。そして、ご家族さまに見守られて美翔くんは沈みゆく夕日を追いかけるように空へと昇っていきました。晩年は病いで辛い思いもしたけれどもこうしてご家族さまに見守られて本当に幸せだったね。

 

お火葬が終わる頃にはすっかり辺りは暗くなっていました。空には無数の星が瞬いています。いつもご家族さまの傍らで輝き続けた美翔くん、これからはご家族さまの心の星となって皆さまを優しく照らし見守り続けることでしょう。

 

そしてまたいつか戻ってきてくれるはずです、幸せの流星となってご家族さまの元に - ご冥福を心よりお祈り申し上げます。