お仕事日録

オーストラリアンシェパードのラコちゃんが旅立ちました

オーストラリアンシェパードの女の子、ラコちゃんが亡くなりました。享年7歳でした。

 

 

雨の降りしきる朝。ご自宅前の学校では第1時限の授業が始まろうかという時間になりました。ご主人は玄関の外でお待ちいただいておりました。お家に上がらせていただくと上り口に大きな身体のわんちゃんが横たわっていました。ラコちゃんであります。ブルーマールの独特の配色が美しく少しウェーブがかったフサフサの被毛に覆われたシェパード。そのゴージャスな毛並みに目を奪われてしまいます。美しいのも道理で、7歳という若さ。その艶のある毛並みにかえって、どうして、これからなのに、様々な思いが渦巻き胸を締め付けてくるのでした。

 

体重をお計りすると見た目とは裏腹、意外なほど軽く感じます。お父さまにお聞きすると、ラコちゃんを至らしめたのは「胃捻転」という病気でした。胃が捩れ、急激に全身状態が悪化する危険な病気です。風船のように膨らんだ胃は周囲の血管を圧迫して循環障害やショック症状を起こすこともあるのだそう。もしかしたらラコちゃんのお腹に空気がたまっていてそれが理由で一見大きく感じたのでしょうか?あまり聞き慣れない病気でしたが、楽観できない病気には違いのないようでした。

 

理由はどうであれ、深い悲しみに沈んだご主人にこれ以上お聞きするにはあまりに忍びなく、私どもは玄関をお借りしてお拭き清めの準備へと進めさせていただくことにしました。ラコちゃんとの想い出は語り尽くさないほど多いのにそれを語るほどの気力すら保てない、そんなご主人のご様子に胸が詰まってまいります。ラコちゃんがご家族とともにここに生きた記録を残したい、そうは思ってもその思いだけでご家族様にとって心ない配慮に欠けるお問いかけをしてしまうようではまさに本末転倒。ラコちゃんも「もう聞かないあげて」と言っているようです。ほんとだね。ごめんね、ラコちゃん。

 

お火葬はラコちゃんをお預かりしてとり行います。雨の中のご出棺にご主人は目を押さえて涙を堪えておいででした。ラコちゃんを乗せた車がご自宅を離れます。雨は頬伝う涙のようにフロントガラスを濡らしています。

 

痛かったろうね。ほんとうに辛かったね、ラコちゃん。君の事はあまり書き留められないけれどもご縁をいただいた者として君の素敵なブルーマールの被毛は忘れない。今は痛みのない世界どうかどうかどうか安らかにお眠りください。

 

ラコちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。