柴犬の北斗くんが急性肺炎で旅立ちました。
赤柴と胡麻柴の両親から生まれた北斗くん、シュッとしたお顔立ちのお目目が大きいハンサムボーイです。もうあと2ケ月で16歳のお誕生日を迎えるところでした。これまで元気に過ごしていたのに 。。ママさんとママさんのお父さまは北斗くんの急なお旅立ちに戸惑いを隠せないご様子でした。柴ちゃんの平均寿命が12~15歳であることを思えば 北斗くんは本当に頑張ってこられたと思います。そうママさんにはお声掛けさせていただきました。しかしながら、ここに眠る北斗くんを前にしてどんなお慰みの言葉ですらもご家族さまには唯々虚ろなだけであり お哀しみを和らげてさしあげるなどとはそれ自体がおこがましいのであります。全て承知はしているのですが、ご家族さまのお気持ちを思うとつい口が出てしまう私でありました。北斗くんのご冥福、心よりお祈り申し上げます。
ある朝、ちょっと具合の悪そうな北斗くん。お父さまは北斗くんを病院へ連れて行かれました。その後 お仕事から戻られたママさんは北斗くんが入院になったことを知るのです。病院へ様子を見に行かれると酸素室に入っている北斗くんがいました。肺炎に罹っていたのです。酸素室で静かに眠る北斗くんを残してママさんは病院を後にしました。お休みの日にまたお顔を見に行こう思っておられたママさんでしたが、そのお休みの日、北斗くんはそっと息を引き取りました。朝を迎える前でした。
北斗くんは若いころから食べることが大好きでした。それは晩年になっても変わらず、ママさんが台所でお肉を焼いておられると「早く頂戴!もう待てないよー」と言わんばかりのはっちゃけぶり。熱々のお肉を欲しがりママさんをいつも困られていた北斗くん。活発な北斗くんはお散歩も大好きでした。毎日、雨の日も雪の日も2時間かけてお散歩に出かけました。ママさん曰く、お家に帰りたくない北斗くんを連れての復路が大変だったそうです。男前の北斗くんにはご近所に彼女がいて彼女を連れて脱走することもありました。「卒業」のダスティンフォフマンばりですね。時に北斗くんだけが帰ってしまい 彼女を探しにママさんが駆け回ったこともあるのだとか。普段、硬派でダンディーな北斗くんの、らしからぬ可愛いエピソードであります。
私どもがご自宅を訪ねる前にママさんは既に旅立った北斗くんの大きな体を抱いてお家の中を最後に一回りされたそうです。同様にお外にもお散歩に出られました。あまり遠くへは行かれなかったようですが、北斗くんはこのお家で過ごした楽しい日々を今一度、胸に刻んだことでしょう、それも忘れもしない優しい肌の温もりを感じつつ。ご出棺に北斗くんをお外にお連れいたしました。そして今日もまたお散歩したくなるような春風そよぐお天気。なだらかな山の稜線が遠くに天と地を分ける長閑な風景が目に飛び込んでまいります。北斗くんは自然豊かなこの地より空へと向かうのです。お散歩が大好きだった君の気持ち、ほんとに分かる。あの脱走の時のようにいつでもここに戻ってきていいんだよ、北斗くん。ママではなく神様の命を受けた天使が迎えに来るかもしれないけれど。
こうして北斗くんは空へと昇っていきました。食いしん坊の北斗くんが道中 お腹を空かせないようにとママさんが作った手作りお弁当を携えて。
「お骨上げ」はお家の中でとり行いました。ママさん、お父さまは可愛いお爪や足指のお骨も愛おしそうに取り分け、お骨壺とは別に小瓶に詰められました。これでお守りとなった北斗くんはいつでもママさんの側にいることが出来ます。これからもどうかお父さまとママさんを側で見守っていてくださいね。
追記
北斗くんのママさんは柴犬のメロンくんのブログのファンでいらしゃいました。メロンちゃんのママさんがアメブロで愛犬ブログを綴っておられるのですが、今年の冬にメロンちゃんのご葬送のお手伝いをさせていただいたのが弊社だったのです。北斗君のママさんはメロンちゃんのブログで私どもの事を知っていただいたのです。実は、私どもはメロンくんのママさんがブログを書いておられることを全く知りませんでした。北斗くんのママさんにお聞きして初めて知った次第です。ペットちゃんの大好きなご家族同士での繋がりでご紹介いただくことが多い弊社ですが、このような繋がりでご縁をいただいたのは初めてでした。
素敵なブログでご縁を繋げていただいたメロンくんのママさん、そしてそのブログで私どもをお見つけいただきご用命いただいた北斗くんのママさんには心から感謝申し上げます。メロンくんのブログをお読みする限りまだまだメロンママさんには心癒えない日々が続いておられるようです。北斗くんのママさんはこれからがその辛さを実感することになるやもしれません。でも私どもは信じています。北斗くんとの楽しかった思い出が悲しみの末に冷たくなったママさんのお心を癒やしてゆかれることを。大丈夫。お守りとなった北斗くんが側にいるのですから。