純白の被毛が美しいチワワのうみちゃん、12歳が旅立ちました。うみちゃんは以前にご用命いただいたリクちゃん、ソラちゃんのファミリーです。リクちゃんが令和3年の春に、ソラちゃんが4年の春に亡くなり、ひとり頑張っていたうみちゃんが今ここに天へと召されていったのです。
うみちゃんは長らく副腎と膵臓に不具合を抱え ママさまに点滴をしてもらう日々を送っていました。その日の朝、急に具合を悪くしたうみちゃん、病院に直行するとそのまま入院することになりました。膵炎が悪化したのでしょうか、気を揉むご家族さま。そしてその日の午後、ご家族さまの元に病院から連絡が入ります。うみちゃんが息を引き取ったとの報告でありました。
病魔と闘い続けていたうみちゃんでしたからご家族さまには多少のご覚悟もあったやもしれません。ご清拭の間にもママさまは、「この子は本当に頑張ったんです。つらい注射や点滴にも、痛みや苦しみにもずっと耐えていたんです」と、うみちゃんを優しく撫で清めながら仰いました。そのお言葉には痛みや苦しみのないところにきた今にどこか安堵するかのような響きがありました。うみちゃんのつらさが分かる人のみが放つ響きなのだと思います。
ご清拭の儀から始まり炉前でのお別れ、お火葬、その後のお骨上げまでご葬送にはリクちゃん、ソラちゃん時と同様、ママさま、おばあちゃま、お嬢さま、そしてお孫ちゃん達が揃ってお立合いいただきました。納棺されたうみちゃんの懐ろには剃刀が添えられています。守り刀としておばあちゃまがご用意されたものでした。
ソラちゃんのご葬送から1年半、お三人のお孫ちゃんたちも大きくなられました。ペットちゃんのいるお家の子供は心優しく育つと言われますが、リクちゃん、ソラちゃん、うみちゃんのご葬送を通して命の尊さを肌で感じたこちらのお子さま達もきっと立派な大人にご成長されることと思います。ある時には陸(リク)にどっしりと足を据え、またある時には海(うみ)のように広い心で、空(ソラ)いっぱいに羽を広げて羽ばたくことでしょう。お嬢さまやママさまばかりでなく亡きワンコちゃん達もきっとそう願っているに違いありません。
お骨上げをとり行ったお部屋の仏壇の手前に並んだ三つのお骨壺。可愛いお骨壺は仲良く並んで話し始めているようにも思えます。ご家族に愛され 固い絆で結ばれたワンコちゃん達は今、ご家族さま、お子さま達をこれからも見守り続けようと互いに確かめ合っているのかもしれません。
うみちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。