お仕事日録

一番星に向かったミニチュアダックスフントのかい君

福井県へお火葬に伺いました。老犬のミニチュアダックスフントのかい君のご葬送です。

 

享年15歳と8ケ月。かい君は大往生でその生涯を終えました。かい君のご自宅に伺うとママ様はもとよりママ様のお友達がお三方、かい君とのお別れにお集まりでした。

 

タオルに包まれ横たわるかい君は今にも起きてきそうでもあり、覚醒前の微睡みの中、束の間の夢を楽しんでいるかのような優しい寝顔を覗かせていました。かい君。本当によく頑張りましたね。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

お集まりのお三方の中には以前、ご葬送のお手伝いをさせていただいたいちごちゃん、うめちゃんのママ様もお出ででした。ママ様はいちごちゃんのママ様から私どもの事をお聞きし、この度のご葬送を私どもにご依頼いただいたものと存じます。ご縁をいただき有難うございます。

 

かい君のお拭き清めが始まりました。おくるみから露わになるかい君はミニチュアというよりも普通にダックスといってもいいくらい立派な体格でした。太っているというのでもなくしっかりとした骨格の持ち主なのでした。風貌もダンディーで被毛の艶もまた美しく、おそらく生涯の大部分を健やかに過ごしてきたのだろうと思います。

 

ママ様が仰るには、かい君、晩年は足の具合が良くなかったり、疾患と言えるほどではないにしろ、内臓にも不具合を抱えていたようです。それでもほんとうに起き上がれなくなったのはほんの数日前だったとのこと。お歳なので多少の不具合云々は仕方ない部分もあるだろうし、まさに大往生と言えるのではないでしょうか。最後まで男前のかい君でした。

 

ご出棺はご自宅の前。炉前での最期のお別れとなりました。お火葬はご自宅を離れて別の場所でとり行います。とは言え ご自宅とは目と鼻の先なのでかい君も寂しくないかと思います。眼下に懐かしいご自宅を見下ろしながら空へと旅立ってゆけるのですから。

 

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全てを終えてママ様の元にかい君のお骨をお届けしました。ご粉骨させていただいたお骨は一回りほど小さなお骨壺に全て収まっています。お骨壺をお渡しすると、良くしてもらって有難う、との嬉しいお言葉をいただきました。まだ実感が湧かなくて、ともおっしゃれれました。ママ様は、明日からどうなるのかとのご不安を少なからず抱いておられるようでした。

 

 

ご自宅を背にし ふと空を見上げると、かい君が昇って行った夕空は夜空へと色を暗くしていました。そこにひと際 明るい満月が。。そしてその隣で負けず劣らず輝いている大きな星がひとつ。金星でしょうか?詳しくは分かりません。ただ かい君はあの星を目印に天へと昇って行ったような、、そんな気がしてならないのです。星のかい君へ一言だけ。

 

あなたを愛したママをどうか見守っていてね、寂しさで埋もれてしまわないように。