とらねこのチョーロ君、12歳が旅立ちました。
チョーロ君は心臓を患い、治療を続けていました。病気が見つかって3ケ月、最近では痛みのためでしょうか、ひとりになりたがる様子がたまに見受けらるようになりました。
クリスマスも間近のとある日。飼い主様がお仕事からご帰宅されるといつもの場所にチョーロ君の姿はなく、飼い主様はチョーロ君の行きそうな家中の場所を探し回りました。するとどうでしょう、チョーロ君は普段はあまり行かない暗い場所で倒れていたのです。きっとチョーロ君は身を隠すようにその場所を選んで息を引き取ったものと思います。飼い主様が倒れているチョーロ君を抱き上げた時にはまだ僅かに息がある状態でしたが、暫くの後、飼い主様に抱かれたままチョーロ君は静かに旅立っていきました。
猫ちゃんには、自らの具合が悪い時には往々にして、いつものお気に入りの場所からいなくなると普段行かないような場所に身を隠し、飼い主を驚かせることがあるようです。また静かで暗い場所を選んでひとり逝くのは、猫は誇り高い生き物だから孤独なままに死を迎えようとするからだとも聞いたことがあります。実際は猫ちゃんの持つ習性なのでしょうけど、チョーロ君の場合はきっと飼い主様に弱った自分を悟られまいとしていたのではないでしょうか。
お火葬はご自宅を離れてとり行いました。冬の朝の澄んだ空気に包まれる中、飼い主様はお連れ様とともにチョーロ君を明るい空へと見送られました。炉前での最後のお別れに「倒れているところを見つけた時にはほんと泣きました」とご自身のその時の心の在り様を語られる飼い主お父様の言葉がしばらく胸を離れませんでした。
ひとりで逝こうとしていたチョーロ君、最期はお父様の腕の中でほんと良かった。私たちもどこかほっとした気分です。お父様の腕の温もりを胸に抱きしめて天国へと向かったチョーロ君、これからもお父様を見守っていてね。
ご冥福を心よりお祈りいたします。