ミックス犬のくうちゃんが老衰のため旅立ちました。
くうちゃんは、19年前に保護施設からやってきてこちらのご家族の一員となりました。新しい環境に慣れるまでの最初の3日間、「クーンクーン」と寂しそうに鳴き続けていたくうちゃん、そんな彼が新しい環境に慣れるまでにはそれほど時間はかかりませんでした。
当時、飼い主様ご夫妻のお子様方もまだ幼くて、まさにくうちゃんはお子様方とともに過ごし成長してきたと言ってもよく、ご夫妻の優しさに加えてお子様方の作るちょっぴり賑やかな環境は若いくうちゃんにとってはすごく心地の良い環境だったのではないでしょうか。以降、くうちゃんは殆ど病気をすることもなく毎日元気いっぱいに暮らしてきました。
あれから幾年月。最近のくうちゃんは足が弱くなり、思うままに歩くことが出来なくなっていました。それでも自力で立ち上がると水を飲み、用を足したりもしていたそうです。寝込んでしまったのは亡くなる僅か3、4日前のこと。それまでは日々懸命に頑張り、命の灯を灯し続けていたのです。
そんな大往生のくうちゃんでしたが、お孫様方が生まれた時もお孫様方にいつも寄り添っていたようです。くうちゃんは、お孫ちゃん達が自分にとって代わるこれからのご家族の大切な「かすがい」なるのだからと最後まで大事に見守っていたいと思っていたのかもしれません。温かい家族の中で命を全う出来たくうちゃんだからこそ家族を思う気持ちは人一倍なのではないでしょうか。
そして本日、お拭き清めの儀には、これからご家族様をさらに幸せへと向かわせるであろうお孫ちゃんのおひとりもまたお母様に倣ってモミジのような可愛いお手々でくうちゃんの尾っぽを優しく撫で清められました。
お火葬はご自宅の前でとり行いました。「くうちゃん、ありがとう!」ご家族様は炉台に眠るくうちゃんに感謝の言葉を掛けられました。程なくして炉に火が入れられるとくうちゃんは澄み渡る青空の中、ゆっくりと天へと昇っていきます。
くうちゃん、このお歳までほんとうに頑張ってきたね。ご家族様も悔いなく見送ることが出来たのではないかな。あっぱれでした!
お骨上げの際には、ご家族様はくうちゃんとのたくさんの思い出を語られ、皆様、とても和やかな時間をお過ごしになりました。家族とともに幸せな日々を過ごしたくうちゃん、その温かい存在はこれからも皆様の心の中で生き続けることでしょう。
くうちゃんのご冥福を謹んでお祈り申し上げます。