お仕事日録

特別なあの日、特別な家族と出逢った保護猫 ミミちゃんのお旅立ち

三毛猫のミミちゃんが旅立ちました。

 

 

ミミちゃんはかつては捨て猫でした。こちらのお宅に保護されたときにはすでにお腹に赤ちゃんがいました。いつ出産してもいいようにとお母様は準備を整えていましたが、ミミちゃんはお母様が留守の間、外の犬小屋でひっそりと出産したのです。その様子を見ておられたご家族様はミミちゃんと6匹の赤ちゃんを保護、お家の中へと迎え入れられました。

 

初めての出産にもかかわらずミミちゃんは三日三晩、飲まず食わずで赤ちゃんたちの世話をし続けました。ミミちゃんの赤ちゃんたちは6匹のうちの3匹が新しい家族とご縁があって貰われていくこととなりましたが、残る3匹はミミちゃんと一緒にこちらの家で暮らすことと相なりました。こんな経緯を経てミミちゃんは心優しいご家族の庇護の下、我が子たちとともに素晴らしい猫生を生きることとなったのです。これまでも飼い主様ご夫妻はお家にやってきた野良ちゃん達を常に愛情をもってお世話し、避妊手術を施したうえで保護団体へと託しておられたみたいです。

 

「ミミちゃんは本当に手のかからない いい子でした。」寂しそうに語られるお母様。優しいお顔で眠るミミちゃんに向ける眼差しに愛おしさが滲み出ています。ご家族様によると不思議なことにこちらのお宅にはなぜか捨て猫たちが集まってくるとのこと。確かにこちらにお伺いする直前にも道端で2匹の野良ちゃんに出逢いましたが、今思えば、これら野良ちゃん達はこちらのご家族の持つ特別な何かを感じ取っていたのではないかと思うのです。私どもも、お拭き清めの間にお父様はじめご家族の皆様と色々とお話しさせていただくなかで 心がほっこりとし、どこか気持ちまで明るくなるような感覚に陥っていたのです。もしかしたら道端の猫ちゃん達然り ミミちゃんもまた私どもと同様の感覚を覚えていたのかもしれません。

 

ミミちゃんの最期は何の予兆もなく訪れました。昨日まで元気だったはずが、気付いた時にはキャットタワーの上で横たわり眠るように亡くなっていたとのことでした。ミミちゃんにとっては温もり溢れるお家の、このキャットタワーの上はまさに天国の雲、それくらい居心地の良いものだったことでしょう。保護猫だから確かな年齢は分からず寿命なのか何なのか、亡くなった原因は分かりませんが 私どもが想像しうるに それそれはとっても穏やかな最期だったに違いありません。

 

ミミちゃん。ご縁を戴いてお家に上がらせていただきましたが、あなたの子供達にもお会いしました。各々が自由気儘に過ごしていて、皆、とっても幸せそうでした。きっとあなたもそうだったのですね。あなたにとって特別なあの日、特別なご家族様に出逢えてほんとうによかったね。