11年前、小さなキジトラの仔猫がこちらのご家族のもとにやってきました。
ご家族は、パパ様、ママ様、そして当時4歳のご子息と1歳のお嬢様。みんなが新しい家族の一員を心から歓迎し、「りゅう」とお名前を付けられました。実は男の子だと思っていたのですが、あとで女の子だと分かり、ご家族はちょっぴり驚きながらも より一層愛情を注ぎました。
りゅうちゃんは、ご子息やお嬢様と一緒に成長し 美しい美猫へと育っていきました。遊び盛りの子どもたちと毎日を過ごし、甘えたり時にはツンとしたりしながら家族の中で特別な存在になっていったのです。
そしてりゅうちゃんが10歳の頃、ご家族は新しく仔猫の、キジトラの男の子を迎えられました。きっと「りゅうちゃんがひとりでは寂しいのでは?」と考えてのことだったのでしょう。ところが、りゅうちゃんはと言うと、新しいファミリー猫が甘えてきても「シャーッ」と威嚇してしまうのでした。それでも仔猫はめげることなくりょうちゃんの側にいようとしていたのだとか。
ふたりは最後まで仲良しとは言えなかったかもしれません。でもお互いに家族を大切に思う気持ちは同じ。りゅうちゃんもファミリーの弟猫ちゃんもご家族の温かさの中で暮らしていたのですから。
そして昨日、りゅうちゃんが亡くなりました。それは突然の旅立ちでした。突如 襲ってきた出来事にご家族は深い悲しみに包まれました。その悲しみを追いかけるようにやってくるのは楽しかった思い出なのです。いつも優しく寄り添ってくれたりゅうちゃん、一緒に過ごした時間の温もり、その全てが愛おしい思い出です。今は悲しみのベールに包まれてはいてもきっとそのベールがいずれ外れ、思い出だけがより一層、輝き出す時がやってくる、そう願うばかりです。
今もりゅうちゃんはきっと空の上から大好きなご家族を見ているのではないでしょうか。そしてこれからも、時には風に乗ってそっとお家の屋根裏に忍び込み、時には夢の中、パパ様の腕の中、ママ様の膝の上に甘えてくるかもしれません。
りゅうちゃん。これまでお子様達の成長を見守ってくれてほんとうに有難う。皆に愛されて幸せでしたね。弟君もあなたがいなくて寂しがっているよ。だから空の上からたくさん愛してあげてね。
りゅうちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。