猫の仁八君が旅立ちました。享年17歳でした。
仁八君とお父様はふたりで名古屋のお宅から金沢のご実家に来ていました。ご実家に戻って来られた理由はお聞きしませんでしたが、しばらくだけ金沢に滞在しておられるようでした。十何年ぶりの地元で、まるで知らない場所を訪れているような感覚のなか、連れてきていた愛猫を亡くされたのです。
お火葬は金沢市街を見渡せる高台、お父様と待ち合わせる形でとり行いました。お父様はご焼骨が終わるまでずっとその場を離れず 仁八君を見送っておられました。満開の桜が時折、春風に拭かれて花びらを散らしていました。ご焼骨後の「お骨上げ」はお父様自らがとり行いました。終始、お天気が良かったのは、きっと仁八君が天国の神様にお願いしていたのでしょう。
最初、お父様は仁八君を満開の桜の下に土葬しようと考えていたようです。しかしながら、なかなか適したところが見つからなくて結局、私どもに依頼することにされたとのこと。旅の途中でもあるのでお父様なりに色々と思案されていたみたいです。
「お骨上げ」では、お父様はプランに含まれているお骨壺の他にも小さな分骨用のお骨壺も購入されて可愛いお骨を取り分けながら其々に収められました。きっとこれからも、仁八君はお父様の側を離れずにお父様の故郷、金沢を旅し、仁八君自身の故郷、名古屋へと戻られるのではないでしょうか。
仁八君のご冥福をお祈りいたします。