トイプードルのクッキー君、享年18歳。老衰によるお旅立ちでした。このお歳までほんとうによく頑張りました。
ご自宅にお伺いするとお父様とお母様が迎えてくださいました。リビングに上がらせていただくと小学生らしきお嬢ちゃんがこちらに背中を見せて声を上げて泣いておられました。そしてお嬢ちゃんの腕の中、安らかな顔で眠っているワンちゃんがひとり ・・ その子がクッキー君です。
クッキー君はこちらのご夫妻のお嬢様のワンちゃんで、女の子はそのお嬢さまのお子様、ご夫妻のお孫ちゃんでした。飼い主であるお嬢様はお仕事でどうしても今日のご葬送には同席できず、泣く泣くご両親に託されました。お嬢様がご結婚されてご実家を出られる時、クッキー君はそのまま慣れ親しんだご両親のお家で過ごすことになり、今日に至っているのです。
最初、お母様は、お嬢様がワンちゃんを飼われることに戸惑いを少なからず感じていたそうです。しかし、可愛いクッキー君とともに過ごしているうちお母様は目に入れても痛くないほどクッキー君を愛おしく思うようになりました。もちろんお父様も同様です。
そしてお孫ちゃんにおかれてはさしづめクッキー君は歳の離れたお兄ちゃんでした。では、近年のお孫ちゃんにはどうでしょう、老いてゆくクッキー君を子供ながらに愛おしさと寂しさの入り混じった思いで見守っておられたのではないでしょうか。思い馳せるにどこか胸が詰まってまいります。それでもお嬢ちゃんには、「天寿を全うしたのだからクッキー君はとっても幸せだったと思う。だから目いっぱいの笑顔で送り出してね」と言ってあげたくなりました。
お火葬はご自宅のお隣でとり行いました。お散歩でよく歩いたであろう場所で、大好きなご夫妻とお嬢ちゃんに見守られて天へと昇っていけたことは、クッキー君にとって何より安心だったのではないでしょうか。
クッキー君、優しいご家族に出逢えてほんとうに良かったね。これからはどうかどうかご家族様を遠い空から見守っていてください。
クッキー君のご冥福を心よりお祈り申し上げます。