お仕事日録

チンチラのムック君が旅立ちました。

チンチラのムック君が17歳の生涯を閉じました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

ご夫妻とムック君との出会いは17年前のペットショップ。店員さんも太鼓判を押すほど元気いっぱいな仔猫だったムック君、すぐにご夫妻の心を捉えると家族の一員として迎えられます。

 

それからというもの ご夫妻の傍らにはいつもムック君の姿がありました。一年くらい前から後ろ脚が衰え、思うように歩けなくなったムック君でしたが、食いしん坊は相変わらずで、「ねえねえ、お母さん、ごはんちょうだい」と決まった時間になるといつも甘えた声を上げていたそうです。亡くなる前日もお母さまにおねだりしていたというのですから ムック君は何より食べることが大好きだったみたい。

 

お旅立ちはご自宅からほど近い静かで穏やかな場所でとり行われました。お父さまも「ここは静かでいいところですね」と仰ってくださいました。ご自宅からでも歩いて来ることの出来るこの場所ならば、ムック君も懐かしいご自宅を眼下に天へと上がってゆけることでしょう。

 

お別れの間際、お母さまがぽつり言われたお言葉がございます。「私たちはムックからたくさん幸せをもらったんです。ムックがいたから辛いことも悲しいことも乗り越えられました」と。

 

ご夫妻におかれては、お父さまもすでに現役を退かれ、今は静かにお二人きりでお暮しのご様子。きっとこれまでにも多くの困難を夫唱婦随で乗り越えてこられたものと存じます。人生の深みを感じさせるご夫妻、故にそのお母さまの発されたお言葉の意味が殊更 染み入るように伝わってくるのです。

 

ムック君。優しいご夫妻がいつまでも健やかであられますよう、どうかどうか祈っていてね。