お仕事日録

痛みを取り払って旅立ったビビちゃん

乳がんを患っていたダックスフントのビビちゃんが旅立ちました。享年13歳と9カ月。ライトブラウンの毛並みが美しい女の子です。
ご依頼主様である奥様には清拭の儀をお手伝いいただきました。

 

 

清拭とは魂、体を清らかにして、また痛みを持ったまま旅立つことのないようにとの願いを込めてとり行う儀式です。ほぼ全てを私どもが行うわけですが、最後の一拭きだけは飼い主様にお願いしております。ペットは飼い主に癒しや心の安らぎを与えます。ビビちゃんもまた他のペットちゃん同様、飼い主様である奥様が明るい気持ちでおられる時には一緒になってはしゃいでくれたことでしょうし、落ち込むような出来事に遭遇してしまった時には多分に心配してくれていたのではないでしょうか。かけがえのないその存在に‘‘これまで有難う”の気持ちを添えて最後の一拭きをお手伝いいただくのです。奥様におかれましては、最初、お立合いいただけないほどご憔悴のご様子でしたが、私どもに促されると 沸き上がる悲しみを堪えるようにしながらもお拭き清めくださいました。その後のお勤めでも棺の前にお座りになりご焼香いただいた次第です。ビビちゃんもさぞ喜んでくれたことだと存じます。