お仕事日録

縁・絆 そして感謝。クロちゃん

 

クロちゃんが天寿を全うしました。1.5キロにも満たない小さな雌の、その名の通り 艶のある黒々とした毛色が特長の猫ちゃんです。ゴールデンウィークに入ろうかという穏やかな天気の日、その早朝にお火葬のご依頼があり、その日のうちに先方様のご自宅に伺わせていただきました。ご自宅ではお父様とお母様がお待ちになっておられました。そして同様にクロちゃんもまた私どもを待ってくれていました。

 

その後、お火葬のためご自宅を離れました。クロちゃんを乗せた火葬車のバックミラーに映るご夫妻の寂しそうな姿に切なさがこみあげてまいりました。あの角を曲がると、ご夫妻とクロちゃんのこれまでの17年はここにひとつの区切りを向かえ、この後、形を変えて新たな関係へと昇華していきます。それは縁とか絆と呼ぶべきもの。これからも永遠と続き、互いの心の結び目でしっかりと繋がっているのです。

 

ご焼骨後、私どもで全部のお骨を骨壺に収めました。その後、ご返骨にご自宅を訪ねるとご主人が応対くださいました。ご夫妻はかつては七尾に住んでおられたことがあり、その当時も猫ちゃんを飼っておられたとのこと。その猫ちゃんが亡くなった折にも訪問火葬をご依頼されたそうですが、私どものこの度の対応も大変ご満足いただけたようでございます。その後、奥様も話に加わられました。最後に、この度はお火葬だけのプランだったけど、お通夜のプランでも良かったかな、とのお言葉をいただきました。

 

クロちゃんのご葬送に携ることになったのも縁に他なりません。クロちゃんに、そしてご夫妻に感謝申し上げます。