チャトラ猫のゆきちゃん(本名:こゆきちゃん、13歳)が旅立ちました。
以前にお火葬を承ったピート君のお母様よりご紹介いただき、今回のお見送りをお手伝いさせていただきました。この日、天気予報では大雪が予想されていましたが、ご自宅のある福井県に入ると雨雲から太陽が顔を出していました。
ご自宅では、お父様、お母様、お嬢様、ご令孫がお揃いでした。小柄なゆきちゃんはお母様の前で永遠の眠りに着いています。とても穏やかなお顔でした。
ゆきちゃんは赤ちゃんの頃、4匹の兄妹とともに母猫に連れられてこちらのお宅にやってきました。母猫は、こちらのお宅なら自分の子供たちが大切に育ててもらえると直感したのか、母猫は子供たちとご家族様を引き合わせました。母猫の思いがご家族様に通じたのでしょう、仔猫4兄妹はご家族様の元で深い愛に包まれ過ごすこととなりました。
あの日から今に至るまで他の兄妹たちはゆきちゃんより先に虹の橋を渡っていき、ゆきちゃんは最後の1匹となっていました。晩年のゆきちゃんは病気を患っていました。そのあたりの事は詳しくはお聞きしませんでしたが、亡くなる3日前まで自力でトイレに行くことが出来ていたとのことで もしかしたらゆきちゃん自身の寿命が来てしまったのかなとも思います。寝たきりになったのは最期の3日間だけで その間にもお母様が声をかけられるとちゃんと反応していたようです。ゆきちゃんは大好きなお母様のことをしっかりと分かっていたのです。
お火葬はご自宅の駐車場でとり行いました。ご出棺の時には雨雲の間から所々青空が広がっていました。先立っていった兄妹猫たちが「こっちだよ」と手招きでもしているのでしょうか、辺りを明るく照らしだしていました。
陽の入り込んだこちらのお庭には四季折々の花や木々が植えられていて鳥たちが羽を休められる鳥かごまで設置されています。今もその止まり木で嘴の長い小鳥が餌を啄んでいるのです。鳥たちは時折、ここを憩いの場所として訪れては餌にありついているのでしょう。もしかしたらあの日の母猫は、仔猫たちを連れてきた時、鳥たちと同様 ここを憩える場所として選んだのかもしれないし、癒されるこの風景のなかに心優しきご家族様を見ていたのかもしれない。そんな思いが胸にふっと沸きあがるとまた一羽、名も知らない鳥が木漏れ日の庭に舞い降りました。
ほんとうに幸せな猫生でしたね、ゆきちゃん。天国では兄猫達と一緒にご家族の皆を見守っていてください。それでもどうにも寂しくなったら小鳥になって舞い戻り、可愛い声でお母様をご家族様を驚かせてあげてくれるかな。
ゆきちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。