お仕事日録

ハムスターのあんこちゃん、ハーちゃんのもとに。

ハムスターのあんこちゃんが旅立ちました。こちらのお家に貰われてからおおよそ3ケ月足らずの、とっても短い生涯でした。あんこちゃんの体内には寄生虫が宿っていたようです。それが原因なのか なかなか体が大きくならず、病院で処方された薬を飲んでおりました。その後、ようやく病気も完治し、体も徐々に大きくなってきた矢先のこと。急に具合が悪くなり、あれよという間に亡くなってしまったのです。ご家族さまにあられては残念なお気持ちでいっぱいのことと存じます。心よりお悔やみ申し上げます。

 

ご葬送には、お母さまと小学生のお嬢ちゃま、弟の僕ちゃん、おばあちゃまがお立合い下さいました。お嬢ちゃまの手の中にはもう一匹、元気なハムちゃんが収まっています。あんこちゃんのお友達で 「きなこ」という名前だそうです。お拭き清めが始まると、お嬢ちゃまは今度は小さなベールに包まれたお骨壺を携えてこられました。

 

実は、このご家族さまには以前にもご依頼を賜わっているのです。同じハムスターのハーちゃんのお火葬でした。お嬢ちゃまはそのハーちゃんのお骨壺を持ってきてくれたのです。あの時以来、ご自宅でずっとご供養されておられることに感じ入った次第です。

 

この度のお火葬も、はーちゃんの時と同様、ご自宅の駐車スペースをお借りしました。その間、ご家族さまにはご自宅でお待ちいただいておりました。それでも ちっちゃなお子さま、特に僕ちゃんは元気な盛りです。しばらくすると、僕ちゃんはおねえちゃまを連れ立って玄関から飛び出してきました。路地とはいえ車の通行もないとは言えず、お母さまも付き添われ外にお出ましになられました。姉弟仲良く縄跳びに興じる子供たち、それを見守るお母さま - その光景がとっても微笑ましく目に映ります。昔を振り返りながら  “私と家内にも子育てにおいてこんな時期があったなー″ と。

 

素敵なご家庭ですね。それにしても、あんこちゃんやはーちゃんのような小さな命にも心を尽くし荼毘に付そうとされる親御さまの尊いお心はお子さまたちの心の成長に大きな礎を築くことになるのだろうと思います。そんなことを考えていると、急に僕ちゃんは縄跳びをしながら大きな声で歌い出しました。「ママが可愛くて良かった~ ママが可愛くて良かった~」  確かに素敵なママさんですが、小生、僕ちゃんのこの言動に厳かであるべきこの時に不謹慎にも頬が弛んでしまいました。