お仕事日録

マロンちゃんの旅立ちは500年に一度の日

五百年に一度の、惑星が一列に並ぶ満月の日、チワワのマロンちゃんが旅立ちました。ご家族様にとってマロンちゃんははじめてペットちゃん。ご家族様とその一員である6歳下のもう1匹のワンちゃんに見守られるなか 棺いっぱいのお花に埋もれて穏やかな表情を小さなお顔に浮かべていました。まん丸のお月様も梅雨空の雲間からマロンちゃんの旅立ちを静かに見守っています。

 

 

ついにお別れの時がやってきました。道行く人達にとても愛されたマロンちゃん、可愛がってくれていたご近所の方もお見送りに急ぎ駆けつけてくれました。ここはご主人が経営する会社の工場の車止めのスペース。棺のマロンちゃんに皆様の目が潤みます。工場から漏れ出る明かりがマロンちゃんを取り囲むご家族皆の背中を照らしています。どこか懐かしく感じられる灯りです。ご家族様の生活の礎であるこの灯りに照らされて逝けるのはマロンちゃんにとっても何よりのたむけ。 - ご主人と散歩に出かけたマロンちゃんが工場の横を撥ねるように歩いていく - そんな光景が私の心にぽっと浮んで消えました。何故。この灯りがマロンちゃんがご家族様と共に此処に生きた証のように思えたからなのでしょうか。

 

マロンちゃん!皆とお別れするのは辛いけど これまで本当に幸せだったね。

 

お骨拾いは工場の隣のご自宅でとり行うことになりました。ご焼骨後、先に私どもがトレーにご集骨させていただき、そのトレーをご自宅にお持ちし、あらためて家族様にご拾骨いただくのです。飼主様ご夫妻の二人のお嬢様は可愛い小さなお骨を僅かだけ小指大の小瓶に入れてお手元にお留め置かれます。お骨になってもマロンちゃんはマロンちゃん。これからも変わらず愛の灯に包まれご家族様の心の中で生き続けることでしょう。