お仕事日録

柴犬 シバ君の旅立ち

柴犬のシバ君が亡くなりました。あと半年で18歳になるところでした。私どもがお伺いした時にはシバ君は大きなベッドで眠っているかのように横になっていました。このところ少し腎臓が弱ってはおりましたが、気にするほどでもなくその他の内臓には悪い所は全くなかったみたいです。

 

しかしながらこの年齢にもなればある意味、致し方のない所ではありますが、脳の老化が少しずつ始まっていたようです。夜間、家の中をしばしば徘徊するようになりました。徘徊中に狭い所に入ってしまい出られなくなったこともありました。寝たきりになったのは約1ケ月前。老化が進行し とうとう自分の体を支える力も失われてしまいました。それでも流石に病気というわけではないので食欲はそれなりにあったみたいです。確かに少し痩せてはいましたが、病気の影のなく被毛の艶も失われてはいませんでした。

 

 

シバ君は甘い物とお母さんが作った卵焼きが大好きで、お旅立ちの時もクッキーとお母さんの卵焼きを持って行きます。出棺の前、お父さんに抱かれたシバ君はまるで眠っているようかのようでした。「軽くなったなあ。。」と寂しそうなお父さん。シバ君はお父さんの温かい腕の中、その安らぎの感触を冷たくなった体で受け止め、ママの味とともに懐中に忍ばせ旅立ちに備えるのでした。出棺の時を迎えました。慣れ親しんだ玄関の前。台炉の上にご夫妻に見守られいるシバ君がいます。閉炉までのこの暫しの時間は18年の年月を凝縮するにはあまりに短すぎます。短くともかけがえのない大切な時間が過ぎてゆきます。

 

もみの木さん。今日は有難う。 シバ君の心の声が私の耳に届きます。それでは、ご夫妻にはシバ君からどんなメッセージが届けられたのでしょうか?傍らの私の耳にはこう聞こえました。「長い間、有難う。とっても幸せだった。。お父さんとお母さんの子でほんとに良かった」 と。

 

ご冥福を心よりお祈りいたします。