お仕事日録

19歳の三毛猫 うさぎちゃんが旅立ちました

三毛猫のうさぎちゃんが老衰で亡くなりました。御年19才でありました。

 

 

うさぎちゃん、通称うーちゃんは赤ちゃんの時に小松で保護されました。うーちゃんは三毛猫は三毛猫でもとっても珍しい毛並みをしています。なんと、左半身は真っ白なのに右半身は三毛。なので、左側から見るとまさに白猫なのです。ご自宅の玄関で初めてお会いしたうーちゃんはしなやかな身体つきに白い被毛が美しく、横になっているその姿はまるで眠っているかのようでした。

 

うーちゃんはここ最近、少し弱ってはいたものの すごぶる元気に過ごしていたようです。それなのに この日 突然、発作をおこしてしまいます。お父さまがうーちゃんの異変に気付かれた時にはすでに痙攣が始まっていました。お父さまはお母さまを呼ばれ お二人で介抱されたようですが、うーちゃんはみるみるうちに衰弱してゆき お母さまの腕の中、とうとう息を引き取ってしまうのでした。

 

ご夫妻にはあまりに突然の出来事。なす術もありません。身体に特別悪いところもなく過ごしていたうーちゃんでしたが、このところの寒さは高齢のうーちゃんにとってはかなり厳しいものがあったのやもしれません。ご家族様にはさぞや無念の事とお察し申し上げます。
この度のご葬送にはご実家から離れてお住まいのお嬢さま お三方もご実家に急遽、お集まりいただきました。ご夫妻にお嬢様方も加わり、うーちゃんの想い出話をされながら皆さまでお拭き清めをされたのでした。うーちゃん。聞こえているかい?君の事だよ。皆で忍んでくれてほんと嬉しいね。

 

 

お火葬は私どもがうーちゃんをお預かりし行うことになりました。ご家族様とは玄関前でお別れです。玄関を出ると住宅街はいつの間にか夜の闇に包まれていました。台炉に移したうーちゃんの枕元にお嬢様方によりお花が手向けられます。うーちゃんのお顔は安堵しているかのように穏やかでした。うーちゃん。優しいお姉ちゃんたちに囲まれ過ごした日々を思い出しているですか?

 

ご家族様とうーちゃんはここで一旦、お別れです。炉は静かに閉じられました。さよなら、パパさん、ママさん。おねえちゃま。どこからか うーちゃんの声が聞こえてきます。お火葬車はゆっくりと動き出し、「うさぎ」という素敵なお名前をいただいた猫、うーちゃんはこうして思い出深いご自宅を後にしたのでした。

 

車窓には満月が見え隠れ。その満月はうさぎちゃんに相応しい美しさで夜の街を照らしています。そしてその日の夜、その帳が下りる頃、美しいうさぎちゃんは美しい満月に導かれるように天へと昇っていきました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。