お仕事日録

ミニチュアダックスフントのてっぺい君が旅立ちました。

18歳のミニチュアダックスフントてっぺい君が旅立ちました。

 

 

眼前で眠るてっぺい君は被毛の色艶も美しくとても18歳には見えません。最後は肺炎で亡くなりましたが、これまで病気の一つもせずに過ごしてきたてっぺい君、ほんとうによく頑張りました。おつかれさまです。ご冥福をここにお祈りいたします。

 

18年前に遡ります。ミニチュアダックスフントの仔犬がブリーダーさんのところから とあるお宅に引き取られました。その後どんな理由かは分かりませんが、その仔犬は再びブリーダーさんのところに出戻ることになりました。

 

当時、こちらのお宅のお嬢様は中学生、ご子息は小学生の低学年でしたが、ご子息が「犬を飼う経験をしてみたい」とご両親に仰ったのです。ご両親はご子息の望みを叶えてあげたいと考え、幼かったお二人に動物を飼って育てることで生まれる飼い主の果たすべき人道的責任、社会的責任について話されました。お二人ともその点はよく理解されており ご両親はご子息の望みを叶え、そのブリーダーさんから素敵な飼い主を待っていた仔犬をお家に迎えられたのです。こうして仔犬は仔犬でその願いを叶え ご子息もまた犬を飼うという願いを叶えられたのです。

 

後に仔犬は「てっぺい」と名付けられ こちらご家族の大切な一員となりました。そして今日まで幸せな犬生を全うすることになるのです。あの時の絶妙なタイミングを考えてみれば、てっぺい君はまさに出戻るべくして出戻ったと言っても過言ではないでしょう。

 

てっぺい君はドッグフードが大嫌いでした。フルーツに目がなく特にイチゴとスイカが大好きでした。毎日のご飯はお母様の手作りでした。栄養バランスを考えたお食事。18歳になるまで元気に歩いていたのも頷けます。てっぺい君。お母さまに感謝だね。

 

てっぺい君が旅立った日は、横浜と東京に其々お住まいのお嬢様、ご子息もご自宅に戻れることの出来る日でした。お父様におかれてもその日は長期出張の間のぽっかり空いた日でこの日を逃すと立ち合えないという日だったのです。きっとてっぺい君はご家族様全員がご自宅に戻れる日の、今日しかないという日を自ら選んで旅立っていったのかもしれません。

 

「お骨上げ」は、先ほどお別れのセレモニーがとり行われたお部屋でご家族様が車座になりとり行われました。てっぺい君との思い出話にも哀しいけれども和やかな雰囲気が伝わってまいります。“果たすべき責任”を全うされたからこその和やかさにご家族様ばかりでなく私どもまで優しくどこか清々しい気持ちに包まれるのでした。

 

ご家族様にはご用命いただき心より感謝申し上げます。

 

ー追記ー

 

掲載のてっぺい君の絵はご子息が描かれたものです。ご家族の宝物ですね。